故郷は遠きにありて思うもの？

「覚せい剤」やめますか、それとも「人間」やめますか
なんてＣＭがありましたが、人間はやめれないにしても自分の置かれた状況に煮詰まってリセットしたくなることありませんか。
あ、覚せい剤はやっちゃダメってことでＦＡですからね！
生きているってことは、いろんな人と関わり合いを持つってことで、
同じ環境、場所にいるとそれは深いものになったり、逃れられないものになったりしていくもので。
私は旅行を趣味としていないので分かりませんが、高いお金を出して普段生活していないところに出かけるのも、一種の現実逃避と
いうか、逃れられない現実というか状況を「一瞬」でも忘れることができるってのが醍醐味なのかもしれません。旅先での出会いはお
互いの生活の状況を知りません。知らないもの同士だからこその出会いが、日常の出会いとは異なり新鮮なんでしょう。

私は人生で３度程、生活環境がリセットされました。
一度目は小学生の頃で、団地住まいから一軒家に家族と転居したときです。場所的にそんなに離れてなく、歩いていっても３０～４
０分程度の移動距離でしたが、転校を経験しました。
二度目は大学生になったときでした。地元の大学を選ばず東京（厳密には神奈川県）にある大学を受験しました。自分はどうも親離
れができていないという自覚があり、受検を気に親元を出るということを念頭に大学も選択しました。と大層なことをいっても授業
料や仕送りなど完全に親頼みで自立なんてさらさらできてないんですけどね。そのまま就職も東京で。地元の企業も選べなくはなか
ったのですが選択肢が少ないのと、地元に戻ることに固執してませんでした。
三度目は転職で都落ち。で現在に至ると。
この、人との関係や関わり合いってのが、地方であると会話のエッセンスとなったり、重要な要素だったりします。東京で仕事をし
ているときは必要な情報でなかった人の中身ではない属性情報があることが会話に幅を持たせます。「どこに住んでいる」「高校は
どこ出身（大学はその地元でないことがあるので重要ではない）」「同級生に○○がいる」「○○さんは私の３年先輩」等々。
もちろん、業種にもよるんでしょうか。
近所の付き合いが希薄に、というのは都会ではそうでしょうが、ずっと地元にいる人にとってはまだまだ健在な気がします。
都会だと高校どこ、では範囲が広すぎて会話にならないので、大卒か専門卒か、大卒ならどこ出身か、からせいぜい始まるくらいで
すね。
こういう同じ場所にい続けるとついていく属性をとっぱらうには、その場所から抜ければいい、というのは私の経験則です。
住む場所を大きく変えると、今までの交友関係や関係を利用しにくくなりますが、しがらみや嫌なことも置いていけることがメリッ
トです。その場所から抜け出す、というのが場合によってはかなり困難でエネルギーを伴います。
でもいざとなれば、という心持ちで取り組むのが煮詰まらないコツかもしれません。
場所が変わることで見えてくるものもあります。
親元を離れたことで、親のありがたみが分かりましたし、前いた会社の福利厚生は優遇されていたなと辞めてから後悔したりもしま
す。ずっと同じところに留まる人はそれだけですごいと思う一方、一度は離れてみないとそのよさも悪さも分からない、分かるかも
しれないけどもっと分かるのになと思ったり。
但し場所変えばかりすると周りから｢そういう人｣に見られることを覚悟する必要があります。
地元ネタにはついていけません。ついていこうと努力すればついていけますが、それはついていっているだけでネイティブな意味で
ついていけません。年を取ると新しいものの話題より、｢あるある｣ネタが中心になりますので、そこら辺も覚悟がいります。
結婚しているとその場から抜け出すのにさらにエネルギーがいるかもしれません。
結婚することは逆にその場に留まる｢覚悟｣というか決意表明ですね。責任を負うと。
といはいえ、日本ではいま離婚率３０％だそうで、覚悟も世間体的にばっくれやすくなってるんですかね。でも当人同士の別れる時
のエネルギーは結婚するときの剣道三倍段らしいですから、知らないけど。

自分の意思で、ああ、ここが安住の地なんだ、と思う場所を見つけられればいうことはないですね。