ホムンクルス 山本英夫
以下wiki
ホムンクルス ヨーロッパの錬金術師が作り出す人造人間、及び作り出す技術
山本英夫の漫画 2003年16号より2011年12号にかけて不定期連載された漫画
トレパネーション 頭皮を切開して頭蓋骨に穴を開ける民間療法 頭蓋穿孔ともいう
連載当初はトレパネーションという導入が結構話題になったと思う。
長期連載+不定期 ということで読んだことがある人は結構いても最後まで読んだ人は実は少ない気がする。
私も最後まで読んだのは結構最近。最終巻15巻はまあ結構な分厚さで、2冊に分けなかったあたりおとなの事情がうかがえる。
作品論はまあ頭のいい人がすればいいことで、一般市民は各自の解釈で作品を楽しめばいいと思う。
漫画はエンターテイメントで読み手あってのものだけど、こういう濃い作品は作者の何か暗い内面の一部をみせられるよう。
主人公は人の潜在下にある内面がみえるようになることで、その人の心を解放していく。
だが、主人公はみえた内面が自分に取り込まれるに従い、みえているのは人の内面ではなく自分なんだと気付く。
やがて主人公はみる側でなくみられる側になることを望む。
嘘で固められた自分ではなく、本当の自分をみてくれる誰かを。
ラストに出会う自分を外見でなく内面をみてくれる女にであう。
その前に内面を解き放ったホームレスは解放されず自殺するという暗示めいたエピソード。
そして自分をみてくれるものは。
この作品を結末まで読んで面白いと思うか思わないか。
非常に難解な作品。つまらない と一言で片づけると頭の悪い人と思われそうだが、
講釈を付けると別の頭の悪さが露呈するかもしれん。
ていうか、この作品テーマで万人が納得のエンディングなんてあり得ない。そんなの書けたら教祖になれる。
他人に本当の自分をみてほしい。この欲求はどこから来るものだろう。
みられたくないから嘘で固めたはずの自分をみてほしいという矛盾。
肯定されないから隠した本当の自分を知ってもらう、そして理解してもらう。
嘘で隠した本当のことは潜在的に自分の心の奥底にしまってあり
自分自身でも忘れてしまっている。
・なぜ家を出て上京したのか
嘘:一人暮らしをしたかったから
・なぜ会社を辞めたのか
嘘:体調を崩したから
・なぜ結婚しない(できない)のか
嘘:その気がないから
・自分は家族を愛しているのか
嘘:無条件
・好きということはどういうことなのか
嘘:君の全てを知りたい
いろいろ考えさせられました。
こんなところで回答は書かないよw
書いたところでそれは今時点での正解であって、時間がたてば変わるからこういうのって。
あ、時間がたてば変わっちゃうようなものは所詮嘘なのか・。
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